Before (改善前)

プレートやウエハステージなどの薄板にM2.6以下のタップを立てる際には、まず細孔ドリルによって下孔加工後、タップ立てを行います。この時使用される材質がSUS304材である場合、工具摩耗によって工具を頻繁に取り換える必要があります。これは、SUS304材は熱伝導率が低いため切削時に発生する熱が工具の刃先に集中してしまうことが原因で、これにより工具摩耗の進行や、反りや変形といったトラブルも起こりやすくなります。そのため、切削後に仕上げ加工が必要となりコストが上がってしまいます。

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After (改善後)

SUS304材からSUS303材に変更することで、反りや変形といったトラブルを軽減させることができます。SUS303材はSUS304材と比較し、硫黄とリンの含有量が多く被削性が高くなります。そのため、工具摩耗が低減され、反り・変形といったトラブルの発生を抑えることができます。しかし、耐食性や溶接性などを比較するとSUS304材のほうが優れているため、仕様用途等を加味して適切な材質を選ぶことがポイントとなります。

POINT(要約)

難削材、特殊鋼の中でもSUS303は被削性が高い金属なので、反り・変形といったトラブルを軽減させることができます。このようなトラブルは発生時に例えば研削加工等で仕上げを行う必要があるため、その工程を省略する事ができるのでコストを抑えることができます。