Before (改善前)
超硬合金は、高硬度な材料として広く知られており、精密金型や精密ピンなどに長寿命化を狙って使用されることがあります。このようなメリットもある反面、加工方法が限られるというデメリットもあり、上図のような製品を加工するには、マシニング加工ではなく研磨加工やワイヤーカットが適用されます。一般的に超硬合金は、削り代やダレを想定して、鋼材メーカーから仕入れる際に寸法より1mm近くついていることが多く、全両面ずつ0.5mmの余分な加工が必要となります。
V
After (改善後)
超硬合金からSK材に材質を変更することでコストを抑えることができます。NAK材は鋼材メーカーから仕入れる際に6Fで購入しフライス加工後に厚み研磨加工(片側0.05mmほど)のみで済むため、超硬合金に比べて加工時間の短縮が可能となります。また、超硬合金では加工方法が限定されていますが、NAK材であれば加工方法の選択肢が増えるのでコスト面も含めて最適な加工を適用することができます。(超硬合金もフライス加工が可能ですが、切削時に発生する粉末によって噛み込みが発生してしまうため、研削加工やワイヤー放電加工が適用されることが多くあります)