Before (改善前)

ワイヤー放電加工は、一般的にワイヤー線の半径に比例した大きさのRが角部に発生します。上記の様な角孔をワイヤー放電加工にて加工を行う場合は角部のR0.1を満たすためには、φ0.15以下のワイヤーを使用して加工する必要があります。ワイヤー径を細くすることで角部のRは小さくすることができますが、ワイヤー径が細くなればなるほどその分加工に要する時間が長くなってしまうため、コストアップしてしまいます。

V

After (改善後)

使用するワイヤー線の径を太くすることで加工時間を短くすることができます。ワイヤー線の小径化は角孔のコーナーRが原因となっています。さらに、通常ワイヤー加工は放電ギャップにより、加工面にワイヤー径の半径+0.01mm~0.02mm程度のRがついてしまいます。そこで、仕様上問題が無ければコーナーR0.10をR0.12以上に変更する事でφ0.2のワイヤー線での加工が可能となります。それにより、加工時間が短縮されコストアップを抑えることができます。

POINT(要約)

ワイヤー加工は径を細くすればするほど、コストが上がってしまいます。ワイヤー径の細くなる原因を取り除くことで加工時間短縮、それによるコストダウンすることができます。今回の場合、角部にワイヤ―径の半径に比例したRが発生するため、コーナーRの形状を変更することで太いワイヤー線を使用することができコストを抑えることができます。