Before (改善前)

上図左のような深さ10mm、φ4H7の孔加工を行う際、超硬合金などの高硬度材の場合には放電加工を用いて加工します。放電加工は加工とともに電極も消耗するため、電極消耗が早いとその分コストが上がってしまいます。その対策として材料発注の時点で深さ9.5mm、φ3.6の粗加工がされた材料(上図右)を仕入れます。粗加工がされた材料を用いることで加工箇所および加工工数を減らしコストを抑えることができます。

V

After (改善後)

粗加工入りの材料を仕入れることでコストを抑えることができますが、製品の使用上問題がなければ底面に逃げを設置し粗加工の深さを図面指示よりも深めに入れることで、さらにコストを抑えることができます。粗加工時の孔径は変更せずに、深さを12mmまで加工された材料を仕入れることで従来設計よりも加工箇所を減らすことができ、放電加工時の電極消耗を低減させ、加工回数も減らすことができます。

POINT(要約)

放電加工は電極の消耗が前提となり、電極消耗をいかに抑えるかでコストが決まります。仕様によって問題がなければ粗加工を従来設計よりも深めに行うことで加工箇所を減らし、仕上げで使用する電極本数を抑えることができます。これによって、放電加工による孔加工のコストを抑えることができます。